生前整理を始める時期やメリットは?骨董品を整理するときのポイントも解説

自分自身のエンディングを考えて生前に身の回りの整理を行う人が増えています。

この記事では生前整理のメリットや始める時期、骨董品の整理のポイントを解説します。

生前整理とは?

「生前整理」とは、最近よく耳にする「終活」の一部です。

終活には、“介護や医療のこと”、“葬儀やお墓のこと”を考えることが含まれますが、まず第一歩として、今の自分の身のまわりの物や財産を見わたしてみて整理することから始めなければなりません。

これを生前整理と呼びます。

生前整理のメリット

残された家族の負担が減る

人が亡くなると、残された家族は悲しみにくれながら、葬儀やさまざまな行政手続きを行わなければなりません。

それ以外にも故人の遺品の整理は、家族にとって大きな負担となります。

生前に財産や身のまわりの物を整理し、必要のないものを処分しておくことで家族の負担を軽減することができます。

今までの人生を振り返る機会

若い頃のアルバムをめくっているうちに、しばらく連絡をとっていない友人に久々に逢いたくなるかもしれません。

仕事が忙しくなって泣く泣く中断していた趣味を、また再開したくなることもあるでしょう。それもまた楽しいひと時です。

今までの人生を振り返ることで、その後の人生を充実して過ごすきっかけになります。

家族に見られたくない物や過去を処分できる

誰しも、家族や他人に知られたくない物やひそかに楽しんでいた趣味はあるものです。

死後、家族が遺品整理をする時に、それらの物が明らかになってしまうかもしれません。

元気なうちに身のまわりをチェックして、不要なものを処分しておけば万が一の時にも安心です。

自分にしか価値のわからないものを納得して整理できる

遺品を整理するときに困ることは、故人にしか価値のわからないものが含まれていることです。

特に骨董品や古美術品の価値は、素人には判断がつきません。

いかにも高そうな壺がまったく価値がなかったり、古ぼけた掛け軸にすごい値段がついたりすることもあります。

作品の価値を知っているご本人が「売却する」と決めてその後の行き先を決めることは、作品にとっても幸せなことでしょう。

「残しておく」と決めたものもきちんと整理し、必要に応じてその価値や亡くなった後の処分のしかたを家族に説明しておきましょう。

生前整理を始めるタイミング

早く始めるに越したことはない

それでは、生前整理はいつ始めればいいのでしょう。

心も体も若いのでまだまだ先でいいだろうと思うかもしれませんが、いつ始めても「早すぎる」ということはありません。

不慮の事故や病気になるリスクを考えるとなるべく早く始めた方がいいでしょう。

そうはいってもなかなか最初の一歩が踏み出せないものです。

一つの目安として、65歳を超えた頃を考えてみてはいかがでしょうか。

65〜70歳になると、少しずつ心身が衰えてきて不安を感じるようになります。

とはいえ、まだまだ体力も気力も充実しているでしょう。

実際にこの時期に終活を始める方が多いようですが、以下に述べるように何かの人生の節目をきっかけにして始めるのも一つの方法です。

定年退職など、仕事がひと区切りついた時

定年退職を契機に終活や生前整理を始める方も多くいらっしゃいます。

生活習慣が一変し時間の余裕も生まれる時期であり、定年後の人生設計を考えるにあたって身のまわりを整理しておくことはとても重要です。

子供が独立する時

子供が結婚や就職を期に家を出る時も、いいきっかけです。

離れて暮らすことになった子供が、自分にもしものことがあった時に困らないように身辺を整理し、必要なことは書面に残しておきましょう。

配偶者が亡くなった時

よき理解者である配偶者が亡くなると、ますます自分の死後残された子供たちが遺品の整理などに困ることになります。

早めに生前整理を始めておかなければなりません。

老人ホームなどに入居する時

老人ホームや高齢者向けマンションの居室は、たいていの場合コンパクトな作りになっています。

たくさんの家具や今まで物置や押し入れにしまっていた品々を全て新しい住まいに持ち込むことは難しいでしょう。

大きな病気にかかった時

がんなどの病気にかかったり、大きな手術をするために入院する時には、万が一のことを考えなければなりません。

できれば、そうなる前に生前整理をすすめておきたいものです。

生前整理のすすめ方

それでは、実際に生前整理のすすめ方を順を追って説明します。

持ち物の仕分けをする

まずは、身のまわりの品々や財産の洗い出しです。

押し入れやタンスにしまってあるものもチェックして、必要なものと不要なものに仕分けしていきます。

しばらく行方が分からなくなっていた思い出の品が出てくるといった発見があるかもしれません。それもまた、生前整理の愉しみです。

すべてを一気にやろうとするとたいへんですので、計画を立てて無理をせず少しずつ進めていきましょう。

不要なものを処分する

持ち物の洗い出しと仕分けが終わったら、不要なものを処分します。

思い出のある品や趣味でコレクションしていたものなどは、なかなか処分に踏み切れないかもしれません。

現物は思いきって処分して、処分する前に写真に撮ってデジタルデータで残しておくという方法もあります。

処分の方法としては、粗大ゴミに出したり、リサイクルショップやオークションへの出品などが選択肢としてあげられます。

骨董品や古美術品は、自分で判断せずに専門の買取業者に査定を依頼するのがベストです。

価値のある物を整理

残すと決めた価値のあるものは、財産目録を作って管理することをおすすめします。

預貯金や不動産、有価証券、骨董品や貴金属類なども項目に含めておきます。

借金やローンなどの負の財産も記載しておくとよいでしょう。

今後の人生設計にも有用ですし、死後の財産相続もスムーズとなります。

エンディングノートを書く

エンディングノートは、人生の終盤期を迎えるにあたって、大きな病気にかかったり自分が亡くなった後の葬儀の方法などについて、家族に向けて対処のしかたや自分の気持ちを書き記しておくためのノートです。

特に決まった書式はありませんが、最近ではさまざまな種類が市販されています。

ただし、エンディングノートには法的な効力はありません。

財産の相続について特別な考えをお持ちでしたら遺言書を作成する必要があります。

骨董品の生前整理のポイント

骨董品収集など家族には理解できない趣味を持っている場合、ご本人が亡くなった後、家族はその処分に困ってしまいます。

場合によっては、大事にしていた高価な骨董品をほかの不要な生活用品といっしょに廃棄してしまうようなケースもよく見かけられます。

また、現金や有価証券の場合と異なり、骨董品や貴金属は遺産として残すと誰が相続するかでもめることもあります。

そうならないように、その価値をわかっているご本人が元気なうちに、思いきって整理しておくことをおすすめします。

思い入れの深い作品は、売却前に写真を撮ってデジタルデータで保存しておくと、いつでも見かえすことができます。

骨董品の売却や査定を依頼するときは、信頼できる業者の選定が大事です。

まとめ

終活の第一歩である生前整理は、今までの人生を振り返り、余生を快適に送るために重要なステップです。

体力と気力を必要としますので、できるだけ早いうちから少しずつでも進めておきましょう。

骨董品や古美術品は、ご本人以外にはなかなか価値がわからないものです。

処分をする時は、専門の買い取り業者に査定を依頼することをおすすめします。

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